Klang-Gear Blog

DTM中年、martin の アマチュアとして 生きて熱く音楽をやるということを ダラダラ書く日記。

19-0118- SWXG (Sound World XG)についての昔話。


「SWXG」というローマ字4文字、ご存知の方はいらっしゃるでしょうか。
私はしょっちゅう自分の自慢話に使うネタですが、

これは”Sound World XG”の頭文字をとったものでヤマハ
1990年代から2002年まで主催していた

マチュア向けMIDI楽曲コンテストのことです。


今日はこれについて語る日としました。


というのは、かつてヤマハの公式ホームページではこの大会の情報をUnlimitedコンテンツとして
過去の大会明細や受賞者、受賞曲リストをすべて保管してあったので、
なんか落ち込んだ時には自分の受賞履歴を見てニヤニヤしてたのが、
いつの間にかページごと削除されていたからです。(笑)
(既に消されてから10年以上経ってますが根に持っているmartinさん)


そして当然ながらググっても年々このキーワードは死んでいってます。
過去の栄光にしかすがるもののないmartinさんは自分のブログに
書き残そうと思いましたとさ。 女々しいです(笑)


良く言うと、今の若い子に昔のDTMの雰囲気が伝わるといいなという
三十路半ばのDTM爺が語る日本昔ばなしな感じで書きたいと思います。


さて、本題ですがヤマハは当時プレイヤーズ王国という現在で言うSNSに近い
登録制の音楽投稿サイトを持ってました。そのアカウントのユーザーが
投稿できる比較的敷居の低いコンテストであり、
条件はヤマハ製のDTM関連機材を使っている事だけです。


当初はMIDIのコンテストとして企画されたもので
ユーザーが投稿するのは楽曲のプロジェクトデータであり、オーディオは含まず、という事で競われるものは曲作りのクリエイティブなところはもちろん、
音色の使い方やいじり方、楽譜の打ち込み方が審査に影響するところで、
この時代のDTMを象徴する条件だったなと思います。


しかしながら2000年に入るころには既に時代はシーケンスソフトから
DAWに移ってきており、またADSLや光といった高速インターネットが
整備されてきていたので最終的にはオーディオ提出OKになってました。


そんな背景で主催側は2000年に入り、コンテストは役目を終えたと思ったのでしょう。
2002年を最後にコンテストは歴史に幕を下ろしました。
(下記のWikiには2001とありますが、2002年が正しいですね。)

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実は私は長年XGユーザーであったにも関わらず
最後の年にこのコンテストの存在を知りまして、
滑り込むようにコンテストに参加することにしました。


前述の通り業界的にはVSTだのDAWだの、
制作現場がオーディオミックスに変わりつつありましたが
私は当時学生で金もなく、オーディオの知識は皆無でしたので、
MIDIファイルで投稿しました。(笑)
私以外のすべての方はMP3で投稿されていた事をよく覚えています。


その時の投稿曲がコチラです。今や音がへぼいので恥ずかしい限りですが。
私はヤマハのMU90という音源を使って曲作りしていました。

ネットでも私のこの曲についての書き込みを少し見かけたので
大切にスクショして残しております(笑)

 

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DODAの宣伝とかは気にせずに(笑)Pineforest Center というのが私の昔のホームページの名前ですね。

自分の中では投稿作品のオーディオ化を満たしてないものは
落とされるんじゃないかと思ってました。

 

結果的には1200曲ほどの作品の中から
オリジナル曲が審査員特別賞とオーディエンス賞の2点に選ばれ、
幸いにも最後の受賞者のひとりになることができたのです。

この時の審査員は4人ほどいらっしゃったのですが、
YMOに関わった松武秀樹さんからのコメントをよく覚えてます。


”ギターの打ち込みに技術と情熱を感じた”

DTMで作ったロックには一抹の虚しさみたいなのを感じるが、
この作品からはそれが感じられず臨場感を感じた”


これが嬉しくて何度もバックナンバーを見てたわけですが、
前述の通りヤマハのWEBからは消えてしまいましたので、この記事が掲載された
DTMマガジンを見つけるしかないんですよね…


なお、キーボーディスト兼実業家の氏家克典さんは
おどけたコメントを書いてらっしゃいましたよ。


”19歳の若い人がこんなギターの打ち込みに青春を捧げてていいのか?”

”このコテコテ感は関西人のなせる業”


こんなんだったと思います(笑)
いずれにしても私にとってはこのSWXGコンテストはいい思い出なので
今でも受賞のトロフィーは大切に制作デスクに置いてます。

その時は賞金として20万円分のDTM機材をカタログギフトとして
もらえるようになっていましたので、当時MU2000とDAWのSOL2を
頂いて、今の制作もSOL2を中心に行っています。


当時は買える、使える音源は限られていましたから、
楽譜やプログラミング(打ち込み)の中で曲や音を作りこんで

差別化をしないといけない時代でした。


しかしながら同じ音源のユーザー、同じ規格や制限の中でやるからこそ、

その共通項が濃いコミュニティを生み広がりを作っていったという

良い事もありました。

 

今の若い人はそういう環境でやってきてないので、比較するすべもありませんが、

それでもいまなお活躍しているベテランの作曲家さんたちは

環境に囚われず感性を磨いたり、打ち込む技術を身に着ける事を推薦しています。


プロになりたい方はあらゆる環境でも同じようなパフォーマンスが出せるよう、

曲作りのノウハウはもちろん、楽器についての知識やアレンジの方法を

身に着ける事をぜひ意識して僕のようなおじさんを驚かせる若い方が

出てきてほしいなと真に思うmartinさんなのでした。

 

プロでもない自分が偉そうにしてすいません。 


おまけ

 


自分のプロフィールでも少し紹介しているのですが、
このコンテストの過去の受賞者には中田ヤスタカさんがいます。
1990年代のコンテストでおそらく彼の学生時代ですね。


ヤマハにはこのSWXGがありましたが、ROLAND
「力作コンテスト」というのがありました。
昨年Mozellさんの「バトルオブざくアク」でご一緒した
大嶋啓之さんはこのコンテストの受賞だったと思います。

時を超えて一枚のCDでご一緒することになるとは!
名誉な事です。